Profilerによって、高い平均応答が予測される条件が得られました。しかし実際の設定が毎回まったく同じではなく、温度、濃度、時間がわずかに変動するなら、公称最適点の平均だけでは失敗リスクは分かりません。
このセクションの問いは次のとおりです:
入力が変動しても基準を満たす条件は何か?
1点の予測を入力分布へ拡張する
U25ではxとyを固定値としてProfilerに入力しました。頑健性シミュレーションでは、各入力を分布として表します。
- 入力平均:運転したい設定値。
- 入力SD:装置、工程、調製で実際に生じる変動。
- 分布形:正規分布、一様分布、経験分布など。
- 入力間相関:2つの設定が一緒に動く程度。
- 出力ノイズ:モデルで説明されない測定変動または工程変動。
モンテカルロ法では、この分布から入力の組合せを繰り返し生成し、当てはめたモデルを通して出力分布を近似します。シミュレーションが新しい実測データを作るわけではありません。現在のモデルと入力仮定の結果を伝播させるものです。
平均が同じでも裾が違えば合格率は異なる
出力平均が規格の中央にあっても、SDが大きければ裾が基準外まで広がります。反対に、予測平均がやや低くても、入力に対する感度が小さく分布が狭ければ、合格率は高くなり得ます。
| 要約量 | 答える問い | 見落とし得るもの |
|---|---|---|
| 公称予測値 | 設定点でのモデル値はいくつか? | 入出力の変動 |
| シミュレーション平均 | 仮定した変動下の平均はいくつか? | 裾の位置と非対称性 |
| 出力SD | 出力はどの程度ばらつくか? | 規格までの距離 |
| 合格率 | 基準を満たすシミュレーションの割合は? | モデル・分布仮定の誤り |
| p05/p95 | 裾の経験分位点はいくつか? | 極端な裾の推定精度 |
平均とSDだけから正規分布へ置き換える前に、シミュレーション表のヒストグラム、歪度、多峰性を確認してください。
入力分布には便宜ではなく根拠が必要である
温度SDを0.2°Cにするか1°Cにするかで、結果は大きく変わります。装置ログ、工程履歴、測定システム、工学的許容差から根拠を得てください。範囲の1/6を機械的にSDとする規則は、分布が正規分布で範囲が±3SDであるという追加仮定を隠します。
入力に相関があるなら、独立に抽出してはいけません。例えば総容量が固定されている場合、2成分の濃度は逆方向に動くことがあります。誤った相関は、実際には不可能な組合せを多数作ったり、危険な組合せを見逃したりします。
規格は製品・工程要件で定められる外部境界であり、信頼区間は推定の不確かさを表す統計的区間です。シミュレーションの合格率が高くても、規格の妥当性や長期的な工程安定性が証明されるわけではありません。
モンテカルロ合格率の推定にもシミュレーション誤差がある
N回の試行で推定合格率がp̂なら、独立なシミュレーションに対する単純な近似標準誤差は次のとおりです。
MC SE ≈ √[p̂(1−p̂)/N]
99.9%の合格率のような稀な不合格を観測するには、500回では裾の精度が不十分です。シードを固定すれば同じ実行を再現できますが、異なるシードとより多い反復回数でも結論が安定するか確認してください。シードの固定は現実世界の不確かさを消しません。
工程能力の解釈には安定性と分布仮定が伴う
CpやCpkなどの工程能力指数は、規格に対する工程の位置とばらつきを要約します。しかし短期の合成シミュレーションから得たSDを、長期工程のシグマとして使用してはいけません。実際の工程能力を解釈する前に、時系列的安定性、独立性、分布適合、測定システムを確認してください。
このセクションでは出力分布と合格率の違いを学びます。規制上のデザインスペース、実証済み許容範囲、長期工程能力を宣言するものではありません。
In-Silico Lab:平均の隣に裾を置く
- 入力SDを0.05から0.30へ増やし、出力SDと合格率を観察します。
- LSLを87から91へ変更し、規格への依存性を確認します。
- 相関を-0.7、0、+0.7へ変更し、出力分布の変化を観察します。
- シミュレーション回数を500から10,000へ増やし、MC SEが減少するか確認します。
- シードを変更し、裾推定の反復安定性を観察します。
入力ブレを出力分布と合格率に変えてください
同じ nominal 条件で入力 SD・相関・LSL・simulation 数を変え、平均、尾、Monte Carlo 誤差を一緒にみます。
初めての場合:何を押すべきですか?
- 1.質問を最初に読むLabタイトルで今回比較する1つを確認してください。
- 2.条件を1つだけ変更する最初は、n、効果、散布などの入力の1つだけを変更します。
- 3. 新しい合成サンプル 押す新しい合成データが作成されます。同じ条件も標本によって変わり得る。
- 4. 図と計算結果 比較する変更の前後に何が動いて、何がそのままであるかを一文で書き留めてください。
詰まったら初期化に戻り、デフォルトの結果を見た後、条件を1つだけ置き換えます。このLabは正解判定器ではなく、パターン観察ツールです。
同じ設定の合成観測
計算結果
この合格率は、指定した入力分布と合成モデルの条件付き結果です。工程安定性・実測分布 根拠なくキャパビリティや長期性能に拡大しません。
教育用 synthetic model ·bjs-robustness-sequence-v1。 1行は、特に指示がない限り、1つの独立したシミュレーションまたはデザインランです。実際の研究・品質・規制判断には使用できません。
Labの各行は、合成入力x・yと1つの出力を含むモンテカルロ標本です。入力には相関正規分布の教材用モデルを使い、出力には少量の独立ノイズを加えています。実工程の分布ではありません。
JMPでは設定と結果表を一緒に保存する
入力平均・SD・分布・相関と出力ノイズをモデルに接続します。
各シミュレーション行を保存して、分布と失敗条件を再確認します。
specificationと安定性の前提を確認した後、尾と指数を読みます。
Profiler Simulationの入力分布、平均、SD、相関、応答ノイズ、実行回数を記録に保存します。Simulate to Tableでは各行が表示されるため、不合格となった条件まで追跡できます。規格と安定性の仮定を確認してから、DistributionとCapabilityの出力を解釈します。
結果記述の例
事前に当てはめた2次モデルを用い、シード26026、指定したxとyの平均、SD、相関0.3で10,000回のシミュレーションを行った。LSL 89を満たす条件付き合格率は98.7%、MC SEは0.11%pであった。この値は、指定した入力分布とモデルを条件とする教材上の推定値であり、長期工程能力または規制上の運転範囲を意味しない。
このセクションのまとめ
- 公称最適点と頑健な領域は異なる問いである。
- モンテカルロ法は、モデルを介して入力分布を出力分布へ伝播させる。
- 入力SD、分布、相関には実証的根拠が必要である。
- 合格率には規格とモンテカルロ誤差の両方が関係する。
- 工程の安定性と分布仮定なしに、工程能力を長期性能の尺度とはみなせない。
次のセクションでは、標準的なCCDや要因計画をそのまま実施できない制約領域で、候補点を選ぶ方法を検討します。
補足資料
この記事とLabは教育用の合成教材であり、実際の研究、工程、品質、規制上の判断の根拠として使用してはいけません。