培地A、B、C、Dの平均収量を全ペアのt-testで比べると、検定は6回になります。各検定でα=.05を使えば、「どこか一つでも」偽陽性が出る機会が増えます。
この単元の問いは一つです。
三群以上で、平均差を一つの共通エラー基準の下でどう問うか。
ANOVAは平均そのものではなく変動の比を計算します
一元ANOVAの帰無仮説は H0: μ₁=μ₂=…=μk です。対立仮説は「すべての平均が異なる」ではなく、少なくとも一つの平均が異なるです。この全体の問いをomnibus検定と呼びます。
全体平均からの観測値の総変動を二つに分けます。
- 群間変動: 各群平均が全体平均から離れる程度
- 群内変動: 各観測値が自群平均の周りで揺れる程度
SS_total = SS_between + SS_within
平方和SSは点の数が多ければ自然に大きくなります。そこで各SSを自由度dfで割った平均平方MSを作り、F=MS_between/MS_withinを計算します。H0の下では二つのMSは同じ誤差分散を狙うので、Fは1付近になりがちです。群平均の分離が群内ノイズより大きいほどFは大きくなります。
ANOVA表の各列は一つの文でつながります
群数k、独立観測の総数Nなら:
- between df =
k−1 - within df =
N−k MS_between=SS_between/(k−1)MS_within=SS_within/(N−k)F=MS_between/MS_within
ANOVA p-valueは、H0とモデルの下で現在のF以上が出る確率です。有意なFは「どこかに差がある」証拠であり、どの群か、差がどれほどか、すべての群が異なるかは示しません。
omnibus結果の後には、群別の平均・SD・n、効果量、計画比較または多重性調整済み事後比較とCIが必要です。最大平均を自動的に「最適」と呼ばないでください。
反復t-testと事後比較の違い
解析前に特定比較が科学的な問いだったなら、計画比較として明記できます。データの後に全ペアを探索するなら、Tukey HSDのようにfamily-wise errorを制御する事後比較が候補です。複数処理を一つの対照群と比べるDunnettのように、目的に合う方法を使います。
調整法を使うと個別CIは広くなることがあります。これは罰ではなく、多くの機会を一つのエラー約束で束ねる代価です。ANOVAが非有意でも任意のペアp-valueだけを選んで報告することには、事前計画と方法による正当化が必要です。
仮定は群別正規性p値の集合ではありません
古典的一元ANOVAは、独立誤差、群ごとのおおよその正規性、等分散を置きます。均衡設計にはある程度の頑健性がありますが、小さいn、強い歪み、外れ値、分散とnの逆関係では問題が大きくなります。
Welch ANOVAは等分散への依存を減らす代案です。順位に基づくKruskal–Wallisは平均ANOVAの無仮定版ではなく、分布と位置の解釈が異なります。反復測定やクラスター資料は一元ANOVA表にそのまま入れず、混合モデルなど構造に合う解析が必要です。
In-Silico Lab: SSを手で確認する
三群の合成平均は 10、10+d、10+2d です。
- d=0でFが正確に1へ固定されないことを見ます。
- dを上げ、SS_betweenとFが大きくなる傾向を確認します。
- seedを変え、SS_withinとFが変わる理由を説明します。
- 表示された
SS_between + SS_withinが総SSと同じか、計算エンジンで検証します。
3つの平均の分離と集団内の揺れを分ける
3 つの集団平均パターンを変更して、SS_between、SS_within、および F ratio がどのようにリンクされているかを確認します。
初めての場合:何を押すべきですか?
- 1.質問を最初に読むLabタイトルで今回比較する1つを確認してください。
- 2.条件を1つだけ変更する最初は、n、効果、散布などの入力の1つだけを変更します。
- 3. 新しい合成サンプル 押す新しい合成データが作成されます。同じ条件も標本によって変わり得る。
- 4. 図と計算結果 比較する変更の前後に何が動いて、何がそのままであるかを一文で書き留めてください。
詰まったら初期化に戻り、デフォルトの結果を見た後、条件を1つだけ置き換えます。このLabは正解判定器ではなく、パターン観察ツールです。
同じ設定の合成観測
計算結果
Fが大きいとは、集団間の信号が集団内のノイズよりも大きいことを意味します。どのペアが異なるかは別々の比較が必要です。
教育用 synthetic model ·bjs-comparison-sequence-v1。実際の研究判断には、実験単位、欠測、分布、多重性、事前計画とドメイン基準を別々に反映しなければなりません。
JMP ANOVAの解釈は分解表から始めます
SS・df・MS・Fが変動分解を表で示します。
分散とnが大きく異なる状況の代替を表示します。
omnibusの後、事前比較または補正された事後比較を解釈します。
Analysis of VarianceのSource、DF、Sum of Squares、Mean Square、F Ratio、Prob > Fを左から右へ読みます。Summary of FitのR²だけで良いモデルと結論しません。群別の元データと残差、Welch結果、事後比較の同時CIまでつなげます。
結果文の例
独立batchの4条件の平均収量を一元ANOVAで比較した(各n=8)。条件効果はF(3,28)=5.42、p=.004だった。事前指定の対照群とのDunnett比較で、B−Aは3.1 percentage points(同時95% CI 0.8–5.4)で、CとDのCIは0を含んだ。残差図に明瞭な曲率や分散増加パターンは見られなかった。
この単元の要点
- ANOVAの対立仮説は少なくとも一平均が異なることです。
- 総SSは群間SSと群内SSに正確に分解されます。
- Fは二つの平均平方の比です。
- omnibus p-valueはどの群が異なるかを示しません。
- 計画比較と調整済み事後比較は、問いの時点と範囲が異なります。
- 反復・クラスター構造を独立一元ANOVAに縮約しません。
次の単元では、非有意結果を「同じ」と誤解する問題を正面から扱い、同等性限界とTOSTを学びます。
公式補足資料
この記事の数値・図・Labは教育用の合成資料です。