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EMA CVMP、ベーリンガーインゲルハイム社の馬用SGLT2阻害薬スコベラ(ベラグリフロジン)の承認に否定的な意見を表明

Boehringer Ingelheim Vetmedica GmbH·EMA·2026年6月19日
規制
EMA CVMP、ベーリンガーインゲルハイム社の馬用SGLT2阻害薬スコベラ(ベラグリフロジン)の承認に否定的な意見を表明
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CVMP否定意見の具体的な背景

欧州医薬品庁(EMA)傘下の獣医用医薬品委員会(CVMP)が、2026年6月16~18日の会議で、ベーリンガーインゲルハイムベトメディカ社のスコベラ(Scovella、ベラグリフロジン15mg/ml経口液)に対し、マーケティング承認の否定的な意見を表明しました。スコベラは、食事・運動療法に反応しないインスリン異常症(インスリン抵抗性)の馬・ポニーにおける高インスリン血症および関連する臨床症状(蹄葉炎など)の治療薬として承認を申請しました。CVMPは、提出された臨床データが安全性・有効性を十分に証明していないと判断し、「限定市場製品」に分類されたにもかかわらず、承認のハードルを超えることができませんでした。

ベラグリフロジンの臨床的根拠と限界

ベラグリフロジンは、SGLT2(ナトリウム-グルコース共輸送体2)阻害薬であり、腎臓の近位尿細管でグルコースの再吸収を阻害し、糖尿病(グルコース尿症)を引き起こし、血中インスリン濃度を下げる作用機序を持っています。二重盲検無作為化比較試験(n=37、0.3mg/kgを1日1回経口投与、20週間+20週間のオープンラベル試験)では、ベラグリフロジン投与群では蹄葉炎の発生が0件でしたが、対照群では37頭中14頭でObelグレード1~2の蹄葉炎が発生しました。低血糖などの重篤な有害事象は報告されませんでしたが、高トリグリセリド血症が一部観察され、長期的な安全性データが不十分であると評価されたようです。

ベーリンガーインゲルハイムのパイプラインにおける位置づけ

ベーリンガーインゲルハイム(非上場、ドイツのインゲルハイムに本社を置く)は、同じ有効成分であるベラグリフロジンを猫の糖尿病用医薬品センベルゴ(Senvelgo)としてすでに販売しており、2023年にEUおよび米国FDAで同時に承認されました。同社の動物用医薬品部門は、2025年上半期に26億ユーロの純売上高(前年比+7.6%)を記録し、ネクスガードを中心としたポートフォリオを拡大しています。馬用のSGLT2阻害薬は、まだ世界中で正式に承認された製品はなく、未開拓の分野であるため、スコベラの承認失敗は、この市場への参入の遅延を意味します。

競合状況と市場の見通し

現在、馬のインスリン異常症に使用されているSGLT2阻害薬は、カナグリフロジン(Johnson & Johnson社のインボカナ)とエルトグリフロジン(Merck/Pfizer社のステグラトロ)であり、ヒト用医薬品の適応外使用(オフラベル使用)として流通しています。世界の馬用獣医薬市場は、2025年の時点で約16億米ドル規模であり、年間6.8~7.5%の成長が見込まれていますが、インスリン異常症専用の承認薬は存在しません。ベーリンガーインゲルハイムが補完的なデータを提出して再審査を申請することができますが、追加の臨床試験に1~2年かかる可能性があり、当面はオフラベルのSGLT2阻害薬が標準的な治療法として使用される見込みです。

💬なぜ重要か

ベーリンガーインゲルハイムは、猫用のセンベルゴ(ベラグリフロジン)を2023年にEUおよび米国で成功裏に発売した後、同じ分子を馬・ポニーに拡大しようとしましたが、CVMPの否定的な意見により、欧州市場への参入が頓挫し、馬用SGLT2阻害薬の最初の承認のタイムラインが少なくとも1~2年遅れる見込みです。世界の馬用獣医薬市場(2025年約16億米ドル)において、インスリン異常症専用の承認薬が存在しない状況が続き、獣医はカナグリフロジンやエルトグリフロジンなどのヒト用医薬品のオフラベル使用に引き続き依存する必要があります。非上場企業であるベーリンガーインゲルハイムの直接的な株価への影響はありませんが、動物用医薬品部門(2025年上半期26億ユーロの売上高)の成長戦略において、馬用ポートフォリオの拡大が遅れるというマイナスのシグナルです。長期的な安全性データの強化と、再審査の申請時期が今後の重要な監視ポイントとなります。