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MDアンダーソン、TROP2 CAR-NKとメルクのウェリレグ併用による膵臓がん1/2相試験開始

Merck & Co. (MRK), The University of Texas MD Anderson Cancer Center·ClinicalTrials.gov·2026年6月11日
臨床パートナーシップ
MDアンダーソン、TROP2 CAR-NKとメルクのウェリレグ併用による膵臓がん1/2相試験開始
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膵臓がんの低酸素環境克服を目指した革新的な併用臨床

テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(The University of Texas MD Anderson Cancer Center)は、TROP2を標的とするCAR-NK細胞療法とメルク(Merck & Co. (MRK))のHIF-2α阻害薬ウェリレグ(成分名:ベルズチファン)を併用する1/2相臨床試験(NCT07377526)を開始した。膵臓がんは5年生存率が10%未満と非常に低く、FOLFIRINOXやGnP(ゲムシタビン+ナブ・パクリタキセル)などの従来の標準化学療法に対して強い耐性を示す難治性疾患である。今回の臨床は、腫瘍内部の低酸素微環境を制御する小分子剤と免疫細胞療法を組み合わせ、従来のがん治療の限界を克服する初めての試みとして大きな意味を持つ。膵臓がん患者に新たな治療選択肢を提供できるかに業界の注目が集まっている。

遺伝子編集に基づくTROP2 CAR-NKの独自設計

臨床に使用されるCAR-NK療法は、臍帯血(Cord Blood)由来NK細胞を遺伝的に再構成し、固体腫瘍への浸潤力と生存力を最大化した点が特徴である。がん細胞表面に多く現れるTROP2タンパク質を標的とし、免疫細胞の活性を長期間維持するためにインターロイキン-15(IL-15)遺伝子を細胞内に搭載している。さらに、CRISPR(CRISPR/Cas9)技術を用いて腫瘍微環境内での強力な免疫抑制遺伝子であるTGF-β受容体2(TGFBR2)を除去することで、抗腫瘍効能が低下するのを根源的に阻止している。この三重構造設計により、CAR-NK細胞のがん細胞への攻撃能力が大幅に向上している。

ウェリレグによる低酸素微環境制御の相乗効果

併用薬であるウェリレグ(Welireg)は、2021年8月にVHL(フォン・ヒッペル=リンドー)病関連腫瘍への初のFDA承認を受け、2023年12月には進行性腎細胞がん(RCC)治療薬として承認範囲を拡大した小分子阻害薬である。膵臓がん細胞は、強い低酸素(Hypoxic)状態を誘導し、免疫細胞の浸潤を妨げる大きな物理的バリアを形成する。ウェリレグがHIF-2αタンパク質を阻害すると、腫瘍の血管新生と異常な代謝が阻止され、微環境が改善される。結果として、弱体化した腫瘍バリアを突破し、TROP2 CAR-NK細胞が深部まで浸潤してがん細胞を効率的に破壊する強力な協働作戦が可能になる。

臨床指標と投与経路の多角化戦略

今回の1/2相臨床は、標準治療後にがんが再発または進行した膵臓がん(PDAC)患者37名を対象に実施される。特異な点として、腹腔内(Intraperitoneal)と静脈内(Intravenous)の二重経路を通じてCAR-NK細胞を投与し、ウェリレグ120mgを毎日経口服用する設計となっている。一次評価指標は、有害事象(Adverse Events)の発生率と毒性を評価し、2相推奨用量(RP2D)を決定する安全性確保に焦点を当てている。二次評価指標である12週目における客観的反応率(ORR)と無進行生存期間(PFS)の分析は、二重投与経路が腹膜転移を伴う膵臓がんに示す局所および全身治療効能を証明する指標となる。

メルクの製品多角化と免疫細胞市場の展望

グローバル膵臓がん治療薬市場は、2025年時点で約27億~38億ドル規模から、2030年には58億ドル規模に高成長すると予測されている。メルク(Merck & Co. (MRK))は、代表的な免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダ(Keytruda)の特許切れに対応するため、2026年1四半期に前年同期比43%成長の1億9,900万ドル(1億9,900万ドル)の売上を記録したウェリレグの適応症を難治性固体腫瘍に積極的に拡大しようとしている。既存のTROP2標的競合治療薬であるサシトズマブ・ゴビテカン(Sacituzumab govitecan、商品名「Trodelvy」)などのADC系との差別化を強調し、「オフザシェルフ(Off-the-shelf)」NK細胞プラットフォームによる固体腫瘍市場の先取り可能性を検証する重要な試金石となると分析されている。

💬なぜ重要か

今回の1/2相臨床試験は、2025年時点で最大38億ドル規模に達するグローバル膵臓がん市場において、三重遺伝子編集CAR-NK細胞とHIF-2α阻害薬を組み合わせ、従来の化学療法の耐性壁を突破する世界初の試みである。短期的にはCRISPR技術でTGFBR2を除去した同種由来NK細胞とウェリレグの安全性および併用投与の適正用量を明らかにし、中長期的には腫瘍低酸素症を制御し免疫細胞の生存率を高める相乗メカニズムを確認する。2026年1四半期に前年同期比43%成長の1億9,900万ドルに達するウェリレグの適応症を、代表的な難治性固体腫瘍である膵臓がんに拡大できる可能性があり、キイトルーダの特許切れに直面したメルクの中長期的な成長動力を評価する指標となる。ギリアドの「Trodelvy」などの既存TROP2標的抗体薬物接合体(ADC)競合陣営に対抗し、「オフザシェルフ」免疫細胞プラットフォームの臨床的有用性と費用対効果を検証する機会として、固体腫瘍細胞治療分野への投資およびポートフォリオ戦略立案に重要なデータを提供する見通しだ。

ソース: ClinicalTrials.gov (api_ct)

https://clinicaltrials.gov/study/NCT07377526