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モデナ、CEPIの支援により鳥インフルエンザmRNAワクチン「mRNA-1018」のグローバル臨床第3相試験を開始

Moderna (MRNA)·BioPharma Dive·2026年4月22日
臨床規制パートナーシップ財務
総額: USD 54,300,000前払い: USD 54,300,000マイルストーン: USD 0
モデナ、CEPIの支援により鳥インフルエンザmRNAワクチン「mRNA-1018」のグローバル臨床第3相試験を開始
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米政府の支援停止とCEPIからの資金注入

モデナ(MRNA)は、米保健福祉省(HHS)の突然の政策変更により、メッセンジャーRNA(mRNA)研究への資金援助を失ったが、感染症対策イノベーション連合(CEPI)の支援により臨床試験を再開した。ドナルド・トランプ政権下でワクチン懐疑論者のロバート・F・ケネディ・ジュニアをHHS長官に指名したことで、バイデン政権末期に最大4億5,200万ドル(4億5,200万米ドル)まで増額されていた生物医学高度研究開発局(BARDA)との契約が突然取り消されるという不測の事態に見舞われた。これに対し、グローバルな公的・民間連合であるCEPIが、最大5,430万ドル(5,430万米ドル)の研究資金を緊急に提供し、プロジェクトの中止を回避した。これは、バイオ企業が単一政府の政治的決定による財政リスクを、多様なパートナーシップを通じて克服できるという前例を残した重要な出来事である。

鳥インフルエンザmRNAワクチン候補物質の臨床第3相試験開始

今回の臨床試験は、鳥インフルエンザ(A/H5N1)ウイルスの主要な表面抗原であるヘマグルチニン(Hemagglutinin、HA)タンパク質を標的とするワクチン候補物質「mRNA-1018」の最終評価段階である。米国と英国において、約4,000人の健康な成人を対象に被験者への投与を開始し、本格的な臨床第3相(Phase 3)試験を開始した。従来の鶏卵培養法によるワクチンよりも開発期間を数か月短縮できるmRNAプラットフォーム技術を活用し、予期せぬパンデミック発生時に迅速に対応できる迅速予防システムを検証しようとしている。以前に実施された臨床第1/2相試験で、優れた忍容性(Tolerability)と信頼できる免疫原性(Immunogenicity)が証明されたため、今回の最終段階の結果が技術の信頼性を決定する鍵となるだろう。

グローバルワクチン市場の動向と競争構造

世界的なパンデミックインフルエンザワクチン市場は、2025年に約103億8,000万ドルから2034年には約169億ドル規模に成長し、年間平均5.56%成長する高付加価値市場である。モデナは、臨床第3相試験に最も早く参入することで、技術のリーダーとしての優位性を確保したが、多国籍製薬会社やバイオテクノロジー企業との激しい競争が予想される。代表的なものとして、グラクソ・スミスクライン(GSK)のGSK5536522(臨床第2相)、サノフィ(Sanofi、SNY)のSP0289/SP0335(臨床第1/2相)、ファイザー(Pfizer、PFE)のPF-07985819(臨床第1相)が挙げられる。アークトゥルス・セラピューティクス(Arcturus Therapeutics、ARCT)の自己増幅RNA(saRNA)候補物質であるARCT-2304も、臨床第1相段階でゲームチェンジャーを目指し、開発を加速させている。

製造供給体制の確保と商業化の多角化戦略

CEPIとの投資契約の条件により、モデナはパンデミックが宣言された場合、全体のワクチン製造能力の20%を低所得国(LMICs)に低価格で優先的に割り当てるという人道的な供給義務を負う。これは、公衆衛生への貢献という社会的価値を実現すると同時に、長期的には新興市場でのブランド認知度を高め、多国籍供給網における支配力を拡大しようとする高度な戦略である。今後、臨床第3相試験のデータが良好であれば、既存のグローバル規制当局による審査を受けている季節性インフルエンザワクチン臨床データと連携し、迅速承認(Accelerated Approval)を取得する可能性が非常に高い。米政府からの直接的な資金供給は途絶えたものの、公的資金を間接的に調達し、商業的な独立性を確保したことから、企業の永続性を証明している。

💬なぜ重要か

米政府の4億5,200万ドル規模のBARDA支援金の突然の取り消しという政治的リスクの中で、CEPIから5,430万ドルの代替資金を調達し、臨床第3相試験を開始したことは、モデナのmRNAプラットフォームの生存力と柔軟性を示すものである。2025年時点で約103億8,000万ドルであるパンデミックインフルエンザワクチン市場において、先駆者としての地位を確立する機会であるが、ファイザーのPF-07985819やサノフィのSP0289など、多くの競合パイプラインが臨床第1/2相段階で追随しており、最終的な承認時期が重要な変数となる。CEPIの条件である、低所得国への20%の製造能力の割り当ては、グローバル供給網の確立という中長期的な機会と、短期的な利益の制限という両刃の剣となる可能性がある。今後、季節性インフルエンザワクチン審査データとの連携による迅速承認の可否は、後続のmRNAパイプライン全体の商業化の速度と研究人員の確保に重大な影響を与えることになる。