アムジェン(AMGN)の二次性副甲状腺機能亢進症治療薬パルサビブ、欧州EMA製品承認取得

欧州規制通過と作用機序の革新
2016年11月11日、グローバルバイオテクノロジー企業アムジェン(Amgen)の二次性副甲状腺機能亢進症(Secondary Hyperparathyroidism、sHPT)治療薬パルサビブ(Parsabiv、有効成分名エテルカルセチド/etelcalcetide)が欧州医薬品庁(EMA)から正式な製品承認を受けました。パルサビブは副甲状腺細胞のカルシウムセンシングレセプター(Calcium-Sensing Receptor、CaSR)に直接作用し、副甲状腺ホルモン(Parathyroid Hormone、PTH)の分泌を強力に抑制する新薬です。今回の承認は、血液透析(Hemodialysis)を受けている成人慢性腎疾患(Chronic Kidney Disease、CKD)患者が経験する深刻な合併症である二次性副甲状腺機能亢進症治療の新たな時代を切り開く意味を持ちます。欧州連合(EU)28か国全体にこの治療薬を商業的に供給できる法的基盤を築いたものです。
臨床第3相データによる強力な有効性検証
今回の承認の中心的根拠となった臨床第3相(Phase 3)プログラムは、1,000人以上の透析患者を対象に2件のプラセボ対照試験と1件の活性対照試験で行われました。プラセボ対照臨床試験では、パルサビブ投与群の74.7%が基準線対比で副甲状腺ホルモン値を30%以上減少させたのに対し、プラセボ群は8.9%にとどまり、圧倒的な薬効差を証明しました。特に、従来の第1世代経口治療薬であるシナカルセト(Cinacalcet、商品名センシパ/Sensipar)とのヘッドトーヘッド比較臨床でも、パルサビブ投与群は30%以上のPTH減少達成率が68.2%で、シナカルセト群(57.7%)を有意に上回りました。これは、パルサビブが従来薬より生化学的制御力において優れた有効性を持つことを客観的な数値で証明した結果です。
静脈投与方式による服薬順応度の画期的改善
パルサビブの最も画期的な差別点は、毎日自ら服用しなければならなかった従来の経口剤とは異なり、透析治療終了時に週3回静脈投与(Intravenous Administration)を行う点です。透析患者は既に1日に数十錠の薬を服用しており、薬を適切に服用できない服薬順応度(Medication Adherence)低下問題が非常に深刻でした。パルサビブは医療従事者が透析装置で直接投与するため、患者の自発的服薬依存度をなくし、投薬漏れの可能性を根源的に阻止します。結果的に医療現場で患者の長期的な生化学的指標調整をはるかに容易にし、治療失敗率を低下させることが期待されます。
17億ドル市場の世代交代と商業的価値
アムジェンは、既存のブロッカーズであるセンシパ(Sensipar/Mimpara)の特許切れとジェネリック(Generic)の発売による売上防衛のため、パルサビブを開発しました。実際、センシパは2017年にグローバルで17億1,800万ドル(USD 1.718B)の売上を記録した巨大製品であり、パルサビブの承認は非常に重要な防衛戦略でした。アムジェンは2012年にカイ・ファーマシューティカルズ(KAI Pharmaceuticals)を3億1,500万ドル(USD 315M)で買収し、この新薬を先制的に確保し、ついに欧州承認を達成しました。個別国ごとの薬価決定と保険給付(Reimbursement)適用という後続のハードルは残っていますが、すでに構築されたセンシパの営業網を通じて迅速に市場の世代交代を実現する可能性が高まります。
パルサビブのEMA承認は、センシパ(Sensipar)の特許切れを目前にしているアムジェン(AMGN)にとって、17億1,800万ドル規模のグローバル二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)市場の主導権を維持するための重要なモメンタムを提供します。2012年にカイ・ファーマシューティカルズを3億1,500万ドルで買収し取得したエテルカルセチドが、成功裏に承認段階(Marketed)に進入したことで、アムジェンの中長期的な未満足医療ニーズの解決と新薬パイプラインの商業化戦略の有効性が証明されました。臨床第3相試験で、従来の標準治療薬である経口用シナカルセト(cinacalcet)に対して優れたPTH 30%以上の減少効果(68.2%対57.7%)を証明した点は、今後のジェネリック医薬品との激しい競争の中で、静脈注射剤として強力なシェア防衛の仕組みとなるでしょう。また、静脈投与方式は患者の服薬順応度問題を根源的に解決することで、実質的な長期臨床的恩恵を最大化し、医療現場の処方パラダイムを革新する中長期的な市場転換の触媒となると分析されています。