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ロシュ(ROG.SW)のコバスリアクトの売上が20%急減し、診断部門の成長率は3%に鈍化

Roche (ROG.SW)·FierceBiotech·2026年7月24日
企業財務
ロシュ(ROG.SW)のコバスリアクトの売上が20%急減し、診断部門の成長率は3%に鈍化
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グローバル診断市場におけるロシュの成長の停滞

グローバル体外診断(IVD)市場のリーダーであるロシュ(Roche, ROG.SW)の診断事業部門は、2026年上半期の売上高が67億3,000万スイスフラン(約77億8,000万ドル)を記録し、固定為替レート(CER)ベースで3%の低い成長率にとどまりました。これはスイスフラン(CHF)ベースでは3%の減少であり、2025年の年間成長率である固定為替レートベースの2%に続き、長期的な停滞期に入ったことを示しています。この成長の鈍化は、新型コロナウイルス感染症パンデミック中に享受していた爆発的な診断需要が完全に消え去り、新たな成長の勢いを確保するのに苦戦していることの表れでもあります。特に、グローバルな金利環境と為替変動の中で、報告書に記載されているマイナスの成長は、ロシュの株価とバリュエーション評価にも負担要因となっています。

中国のVBP価格改革による直接的な打撃

今回の業績不振の主な背景には、中国政府の大規模な医療機器集中調達(VBP)および価格設定改革措置があります。高価な外国製の医療機器や試薬の価格を強制的に引き下げようとする中国規制当局の圧力により、アジア太平洋(APAC)地域の上半期の診断部門の売上は、固定為替レートベースで5%減少しました。2025年の12%の大幅な減少に比べれば緩和された数値ですが、最大の成長市場である中国での価格下落圧力は、ロシュの中長期的な収益マージンを根本的に損なう構造的な逆風となっています。これに伴い、ロシュは中国国内での生産の現地化戦略と、現地専用の低価格帯製品ラインナップの強化など、ビジネスモデルの全面的な再編を迫られています。

現場診断部門の逆成長とコバスリアクトの低迷

事業部門別の業績を見ると、デジタル病理および免疫組織化学(IHC)を中心とした病理診断(Pathology Lab)部門が、固定為替レートベースで11%成長し、唯一の主要な成長エンジンとなっています。一方、現場診断(Near Patient Care)部門は、固定為替レートベースで5%減少し、全体的な診断事業部門の業績を悪化させる主な原因となっています。特に、小型分子現場診断プラットフォームである「コバスリアクト(cobas Liat System)」の売上が20%も急減し、深刻な逆成長を記録しています。コバスリアクトは、インフルエンザ(Influenza A/B)および新型コロナウイルス(COVID-19)などのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)診断において、卓越した迅速性を誇っていましたが、パンデミック後の呼吸器診断機器の設置台数(Install Base)の飽和と検査件数の急減の影響を受けたと考えられています。

高付加価値の多角化と新製品戦略

現在、現場診断(POC)市場では、アボット(Abbott Laboratories, ABT)の等温増幅プラットフォーム「ID NOW」と、ダナハー(Danaher Corporation, DHR)傘下のセファイドのリアルタイムPCR装置「GeneXpert Xpress」が強力な競争関係を形成しています。ロシュは、呼吸器診断を中心としたコバスリアクトプラットフォームの売上減少を克服するために、多重診断パネルの拡大と承認(FDA Clearance/CLIA Waiver)項目の多様化に注力する方針です。また、イルミナ(Illumina, ILMN)の独占に対抗して発売した次世代シーケンシング(NGS)プラットフォーム「Axelios 1」の市場浸透が重要な変数となる見込みです。2026年現在、約1,086億ドル規模と予測されるグローバル体外診断(IVD)市場において、ロシュが高付加価値の分子診断ポートフォリオへの転換を成功させなければ、市場シェアの維持は長期的には困難になる可能性があります。

💬なぜ重要か

ロシュの診断事業部門の2026年上半期の売上成長率(CERベースで3%)の鈍化と、分子現場診断(POC)プラットフォーム「コバスリアクト(cobas Liat)」の20%の急減は、パンデミック後のグローバル呼吸器診断市場の縮小と、中国の医療機器集中調達(VBP)による価格引き下げ圧力が、ヘルスケア大手企業の業績に及ぼす悪影響を証明しています。短期的に見ると、アボット(ABT)の「ID NOW」およびダナハー(DHR)の「セファイド」など、同じ市場における主要な競合プラットフォームとの設置台数の確保競争がさらに激化し、価格とマージンの維持が困難になると予想されます。中長期的に見ると、約1,086億ドル規模に及ぶグローバル体外診断(IVD)市場における支配力を維持するために、ロシュは最近承認(Marketed)段階に入った新しい次世代NGS装置「Axelios 1」など、非呼吸器系および高付加価値のパイプラインへのポートフォリオの迅速な多角化を行う必要があります。したがって、この業績は、現場診断(POC)機器への依存度を下げ、デジタル病理および遺伝子解析プラットフォームへの体質改善の速度が、今後のロシュの企業価値を再評価する上で重要な指標となることを示唆しています。