ジョンソン・エンド・ジョンソン、ステララーの小児潰瘍性大腸炎への適応拡大により、欧州での承認を維持し、ライフサイクルを強化

適応拡大による承認維持
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のブロックバスターである自己免疫疾患治療薬ステララー(Stelara、有効成分:ウステキヌマブ)は、欧州医薬品庁(EMA)の欧州公的評価報告書(EPAR)第53版を通じて、製品承認の状態を正常に更新しました。今回の規制アップデートは、2026年6月25日に欧州医薬品委員会(CHMP)が承認した、2歳以上の小児患者を対象とした中等度から重度の活動性潰瘍性大腸炎への適応拡大の勧告が最終承認されたことによるものです。オリジナルの医薬品の価値を維持するために、対象患者群を、未だニーズの高い小児領域まで拡大し、市場シェアを守るための措置と言えます。
バイオシミラーの攻勢とLCM戦略
欧州におけるステララーの物質特許および追加保護証明(SPC)は、すでに2024年7月20日に満了しており、これに伴い市場の状況が急速に変化しています。特許満了直後の2024年7月22日に、アルボテック(Alvotech)とスタダ(STADA)が、欧州初のステララーバイオシミラーであるウズプルボ(Uzpruvo)を発売し、続いてセルトリオン(Celltrion)のステキマ(Steqeyma)やサムスンバイオエピス(Samsung Bioepis)のピズチバ(Pyzchiva)など、強力なアジア圏の競合製品が相次いで参入しています。このような状況下で、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、適応症の追加というライフサイクルマネジメント(LCM)戦略を用いて、バイオシミラーとの差別化を図ろうとしています。
売上防衛と世代交代の岐路
ステララーは、インターロイキン-12/23(IL-12/23)を同時に標的とする強力な作用機序により、2023年には約109億ドル、2024年には約103億ドルのグローバル売上を記録し、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門における主要な収益源となっています。しかし、特許の障壁が崩れたため、今後、欧州市場を皮切りに、2桁以上の売上減少が予想されます。同社は、ステララーの売上減少を防ぎつつ、より精密なインターロイキン-23(IL-23)選択的阻害剤である後続薬物トレムフィヤ(Tremfya、有効成分:グセルクマブ)への患者の移行を促す、二つの戦略を実行しています。
自己免疫疾患市場における覇権の変化
ステララーが支配してきたインターロイキン阻害剤市場は、アビー(AbbVie)のスカイリッチ(Skyrizi、有効成分:リサンキズマブ)やノバルティス(Novartis)のコセンティクス(Cosentyx、有効成分:セクキヌマブ)などの後発勢力の攻勢により、さらに激化しています。小児患者群への適応拡大は、単に短期的な売上を増やすだけでなく、臨床現場で長期的な臨床的安全性データを蓄積したという象徴性を付与し、ブランドの信頼性を維持する役割を果たします。結局、今回の欧州での承認更新は、特許満了後も、オリジナルのバイオ医薬品が市場で持ちうる最後の臨床的優位性を確保しようとする賢明な措置と解釈できます。
年間100億ドル規模の売上を誇るブロックバスター自己免疫疾患治療薬ステララー(ウステキヌマブ)の欧州承認更新(第53版)は、特許満了後のオリジナルの製薬会社の市場防衛戦略を象徴するものです。欧州の物質特許が満了した2024年7月以降、アルボテック(Alvotech)のウズプルボ(Uzpruvo)やセルトリオン(Celltrion)のステキマ(Steqeyma)などのバイオシミラーが発売された状況下で、今回の2歳以上の小児潰瘍性大腸炎への適応追加は、市場シェア防衛のための臨床的武器となります。研究者の視点からは、成人を対象としたインターロイキン-12/23(IL-12/23)標的機序が、小児患者群においても長期的な安全性を検証し、今後の小児免疫抗がん剤および自己免疫薬開発における重要な基準を確立しました。中長期的に、自己免疫疾患市場の覇権が、アビー(AbbVie)のスカイリッチ(Skyrizi)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のトレムフィヤ(Tremfya)などの第2世代IL-23治療薬に移りつつあり、ステララーの円滑な移行は、企業の世代交代のための時間稼ぎとして不可欠です。