nanobot
超軽量パーソナルAIエージェントランタイム — 香港大学HKUDS開発
nanobotは、香港大学データインテリジェンスラボ(HKUDS)が2026年2月に公開した超軽量のパーソナルAIエージェントランタイムである。GPTがどのようなテキストでも処理するように、nanobotはどのようなLLMでも、単一の一貫したエージェントループ内で実行できるように設計されている。メッセージ受信、LLMによる意思決定、ツール呼び出し、コンテキスト管理という主要なエージェントパイプラインを、最小限のPythonコードで実装しつつ、WebUI、メッセンジャー連携、MCP(Model Context Protocol)ホスティング、長期記憶、定期的なスケジュール設定など、実用的なコンポーネントをモジュール単位で追加できる構造を採用している。 既存のエージェントフレームワークの限界は、複雑さである。LangChainやAutoGenなどの大規模なフレームワークは、数万行もの抽象化レイヤーを積み重ねており、研究者が内部動作を把握したり、特定のコンポーネントだけを置き換えたりすることが難しい。nanobotは、その逆の哲学を採用している。エージェントループの主要なロジックを読みやすい数千行レベルに保ちながら、30種類以上のLLMプロバイダー(OpenAI、Anthropic Claude、Google Gemini、DeepSeek、Ollama、vLLM、LM Studio、AWS Bedrock、Azure OpenAIなど)を、名前付きプリセットとフォールバックルーティングで切り替えられるようにした。MCPサーバーを複数接続して外部ツールをエージェントに公開し、トークンベースの2段階記憶システム(Dream)で、長期セッションでもコンテキストを自動的に圧縮・復元する。さらに、自然言語ベースのcronスケジュール、サンドボックスコード実行、サブエージェントのバックグラウンド実行もサポートしているため、単純なチャットボットを超えて、継続的に目標を追跡するエージェントを構築できる。 生命工学の研究者の視点から見ると、nanobotの価値は、「インフラストラクチャへの依存なしに、自分だけのAIアシスタントを迅速に構築できる」点にある。例えば、論文モニタリングエージェントを作成し、PubMed APIをMCPツールとして接続し、cronで毎日新しい論文を収集した後、要約をTelegramやSlackに送信するパイプラインを、数十行のコードで完成させることができる。実験データのプリプロセスワークフローでは、ローカルLLM(Ollamaなど)をエージェントに接続し、機密データを外部APIに送信することなく、自然言語による指示でCSVの精製、統計要約、可視化スクリプトの生成を自動化できる。WebUIがPython wheelの中に組み込まれており、別途ビルドすることなく`nanobot run`でブラウザベースの管理画面が開かれ、Dockerコンテナでのデプロイもサポートしているため、ラボサーバーに常時稼働する研究支援エージェントを運用するのに適している。
💻 必要なスペック
エージェントの実行自体にはGPUは不要。ローカルLLM(Ollama/vLLM)との連携の場合、そのモデルのVRAM要件に従う。
パッケージのインストールには約200MB、WebUIを含む。ローカルLLMモデルは別途。
⚡ インストール
### 4-1. 簡単な始め方
```bash
# PyPIからインストール
pip install nanobot-ai
# または uv を使用
uv tool install nanobot-ai
# 実行
nanobot run
```
### 4-2. 詳細なインストール
```bash
# ソースからインストール
git clone https://github.com/HKUDS/nanobot.git
cd nanobot
pip install -e .
# ワンコマンドインストール (macOS/Linux)
# 公式の README のインストールスクリプトを参照
# Docker
docker compose up -d
# 環境変数の設定 (例: OpenAI)
export OPENAI_API_KEY="sk-..."
nanobot run
```
### 4-3. 基本的な API 呼び出しの例
```python
# Python SDK を使用
from nanobot import Nanobot
bot = Nanobot()
response = bot.chat("今日 Nature に掲載された CRISPR 関連の論文を要約して")
print(response)
```🧬 バイオ活用シナリオ
論文モニタリングエージェント
PubMed/bioRxiv APIをMCPツールに接続し、cronスケジュールで毎日特定のキーワードの論文を収集・要約。TelegramやSlackチャンネルに自動的に送信し、研究チーム全体でリアルタイムのトレンドを共有。手動のRSSリーダーと比較して、LLMによる要約とフィルタリングにより、関連性の高い論文のみを抽出可能。
実験データの前処理自動化
ローカルLLM(Ollama)をエージェントに接続し、機密性の高い実験データを外部に送信することなく、自然言語による指示でCSVのクレンジング、外れ値の検出、統計要約レポートを生成。MCPでファイルシステムとPython実行環境をツールとして公開すると、エージェントが直接pandasスクリプトを作成・実行。
ラボサーバーの常時運用アシスタント
Dockerで研究室サーバーにデプロイした後、WebUIでチームメンバーと共有。長期記憶システムでプロジェクトごとのコンテキストを維持し、サブエージェントで複数の分析タスクを並行して実行し、cronで機器の状態チェックを自動化。Slack/Teamsと連携し、実験完了の通知や異常検出時にチームチャンネルに即座に報告。
📝 アップデートノート
まだアップデートノートはありません。
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